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注意書き 虐待お兄さんが行方不明になります ゆっくりが普通のゆっくりとは違います 以上 日が沈みかけ、薄暗くなってきた山の中にゆっくり達の悲鳴が木霊していた。 「もうやだよおおおおおおおおおおおおおお!!!!だずげでえええええええええええええええええええええ!!!!」 「おねがいだがらもうやべでくだざいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 叫び声をあげるゆっくり達の中には一人の男が居た。 麓の村に住んでいた男だが、男は己のことを『虐待お兄さん』と名乗っていた。 趣味はゆっくりを虐待し、殺すこと。 だから男は今この上ない幸福を感じていた。 何故なら、ゆっくりを己の手で痛めつけて殺しているからだ。 無様に喚き、悲鳴を上げ、何もできずに死んでいくゆっくりが男は好きだった。 正確には、ゆっくりを殺す事が男は好きだった。 右腕で殴り、左腕で投げ、右足で踏み、左足で蹴る。 己の四肢を振るうだけでゆっくりは死んでいく。そんなにもゆっくりは脆かった。 中にはもちろん抵抗するゆっくりも居たが、人間に敵うわけがなく男に殺されていった。 「おちびちゃんたちはいそいで逃げてね!! まりさが囮になるからね!!」 「まりさごめんね…… 急いで口の中に入ってね!! ゆっくりしないで逃げるよ!!」 「みゃみゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 家族を逃すため囮になろうとしたまりさは掴まれ、逃げようとしたれいむにぶつけられた。 口の中に居た子ゆっくりは潰れ、親のまりさとれいむももう動かなかった。 「人間なんかれいむ達の敵じゃないよ!!!! ゆっくり死んでね!!!!!」 「「「「「「「ゆっくりしんでね!!!!」」」」」」」 仲間と一緒に体当たりを仕掛けてきたゆっくりは、一匹残らず殺された。 ただ潰されたゆっくりは幸せだっただろう。数匹のゆっくりは底面の皮を破くだけで男は済ました。 動けば中身がこぼれて死ぬ。動かなくても徐々に中身がこぼれていって死んでしまう。 迫り来る死という恐怖に泣き叫ぶゆっくりの姿は相変わらず滑稽で、男の顔は笑っていた。 普通の人間であるならば、これだけの悲鳴を聞いていれば発狂するだろう。 しかし、男は『虐待お兄さん』である。今この場で感じているのは愉悦だけだ。 逃げるゆっくりも立ち向かうゆっくりも、どんどん男に殺されていく。 そして、最後に残った一匹のゆっくり。成体のゆっくりれいむが震えていた。 逃げようとしても、立ち向かっても男に殺されるのはもう分かりきっているのだろう。 どんな風に虐待しようか『虐待お兄さん』の男が考えていると、ある事を思いついた。 やわらかいゆっくりの体を持ち上げて、両手でゆっくりの頭頂部を男は掴む。 「な、なにするの!! ゆっくり離してね!!」 喚くゆっくりを無視して男は手に力を込め、真っ二つに引き千切ろうとした。 「おにいざんやべでね!! 痛いからはなじでね!!」 男がゆっくりの願いなど叶えてやるわけがなく、弾力のある皮はどんどん伸びていく。 「やだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!! じにだぐないよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 そんな風に叫びながら、れいむは千切られた。 男の手にはちょうど半分に分かれたれいむがあり、片方は投げ捨てもう一つは持ち帰る事にした。家へ帰ってから食べるつもりである。 周囲を見渡してもゆっくりはもういないようなので、男は山を降りる事にした。 ゆっくりを追いかけてどんどん奥まできてしまい、帰るのが面倒だと男は思った。 男が去ってから少し経つと、一匹のゆっくりの残骸が震え始めた。 いや、一匹だけではない。見ればどのゆっくりの残骸も震えていた。 やがて一匹のまりさの残骸から腕が生え出して、徐々に元の丸い形に戻り始めた。 何秒も待たずにまりさは元の姿に戻り、辺りを見回してから息を吐いた。 「さて、今日もお疲れ様なんだぜ」 「お疲れ〜」 「一人だけだったね」 「でもこんなことよくやるよ」 「他の人間さんは忙しそうなのにねぇ」 まりさの声に反応して元の姿に戻ったゆっくり達は好き勝手に話を始めたが、男に残骸を撒き散らされてしまったゆっくりはまだ戻れていなかった。 「じゃ、いつもみたく先に元の姿に戻れたやつはまだ戻れてない奴の手助けをしてほしいんだぜ。戻れてない奴はどんどん助けを近くの奴に求めるんだぜ」 手を叩きながらまりさは指示を飛ばす。どのゆっくりも文句の一つも言わず指示通り動き始めた。 「あと数合わせで分裂した奴もちゃんと元に戻すんだぜ」 「しょうだよ!! もどらなかったらみんなこんな風に自我をもっちゃうよ!!」 まりさの言葉に続くように一匹の小さなれいむがまりさの隣でふよふよ浮きながら言った。 「お前さんも手伝ってくるんだぜ」 「みゅ〜… 面倒だよぉ…」 「そんな事は通用しないんだぜ」 「わかってりゅよ!!」 小さなれいむはふよふよと飛んでいく。その姿を見送ってからまりさもふよふよ浮き始める。 元の姿に戻ろうとしている仲間の残骸を集める作業に入るのだ。 残骸を集めるのは実に大変である。 ある程度の距離ならば勝手に残骸と残骸が勝手にくっ付いて元の姿に戻ろうとするのだが、撒き散らされてしまってはくっ付くことはできない。 放っておいても一番多く集まった残骸が中途半端に復元され、時間を置けば徐々に修復される。 しかし、この群れはもうあの『虐待お兄さん』に潰されてしまった群れなのだ。 それなのにこの場に留まっていてしまっては、流石に人間にだって怪しまれてしまう。 ゆっくりはあくまで『愚鈍で馬鹿で意地汚い動く饅頭』でなければならない。この秘密を人間に知られない為にも、今は一刻も早くこの山から離れなければならないのだ。 「困りました……」 まりさが仲間の残骸を集めていると、半分だけのれいむが俯いて浮いていた。 『虐待お兄さん』に最後真っ二つにされ、片方を持っていかれてしまったれいむだ。 「まあ、お前さんは仕方ないんだぜ。どうせ少ししたら元に戻れんだから人間に見られないように移動するしかないんだぜ」 食べられたりすれば適当に復活できるゆっくりではあるが、流石に中途半端に食べられてはそれも無理である。 このれいむは自然に修復されるまで待つしかないのだろう。 だが、れいむの返事は違った。 「いえ、別に元の姿に戻れないの事で困ってるんじゃないんです」 「? どういうことなんだぜ?」 「実は……」 山を順調に下っていた男は一つの違和感に気づいた。 最初は気のせいだと思っていたのだが、どうやら気のせいではないらしい。 右手に持っていたゆっくりれいむの半身がもぞもぞ動き出していたのだ。 不思議に思いながらゆっくりを顔の前まで持ってくると、断面から餡子がこぼれなくなっていた。 断面の方を見てみると餡子がこぼれない理由が分かった。餡子が消えていたのだ。 ゆっくりの中身である筈の餡子は見事に無くなり、断面には何もない空間が広がっていた。。 最初は餡子がこぼれて皮だけになったと思ったのだが、どうやら違うようである。 男が手を突っ込んでみると、男の腕はそのまま入ってしまったからだ。 いくら成体のゆっくりとは半分に切り取ったゆっくりの体はそこまで大きくない。 恐る恐る男は己の顔をゆっくりの断面に入れてみる。すると、男はゆっくりの中に吸い込まれていくのが分かった。 慌てて顔を皮から出そうにも既に手遅れで、男は顔から下も全て吸いこまれてしまった。 後には何も残らず、残ったゆっくりの皮はふよふよ浮いて男が下っていた山道を再び登り始めた。 「つまり、引き千切られた半分の方も復活してしまいどうやらあの男を飲み込んでしまったみたいなんです……」 「はぁ……」 れいむの説明を聞いていたまりさは溜息を吐いた。 今の話はおそらく本当の事で、間違いなく先ほどの『虐待お兄さん』は吸い込まれてしまったのだろう。 「全く、運の悪い人間さんだぜ……」 そう言いながらまりさは頭の裏を掻く。 人がいなくなったと分かれば人間は間違いなく山狩りをするだろう、そう考えてまりさは再び指示を出す。。 「れいむの半身がこっちに来たら出発するんだぜ。その前に各自修復するんだぜ!!」 ゆっくり達は再び作業を再開する。 今優先することは急いでこの場を離れ移動することだ。下手したら人間に見つかってまた潰されるかもしれないからだ。 流石に二日連続で潰されるのは嫌だからか、修復速度もどんどん上がってきている。 まりさも仲間の残骸を集め始めてから、再び溜息を吐いた。 「人間さんがゆっくりって名付けた癖に、ゆっくりがゆっくりできる日は来るのかだぜ……」 ま、ここじゃ無理かとまりさは思った。 終 by大貫さん ↓は後書きと感想フォームへの返事です。読みたくない方はこのまま戻ってください こんな駄文を最後まで読んで頂き本当にありがとうございます!! 本当は膿と膿以降人間を酷い目にあわす話は書くつもりはありませんでした。 ただ、あるれいむのAAを見て (これ、誰か吸い込まれたら面白そうだなぁ…)って思ったので書いてみました。 感想フォームに感想下さった方、本当にありがとうございます。 (名無しさん) 2008-11-10 15 16 03 後書きに対してのご忠告、本当にありがとうございます。 自分が作者様をおちょくるつもりはありませんでした。ただ、一言断っておいた方がいいかも…… と思っただけなのです。 本当にすいませんでした。 (名無しさん) 2008-11-19 13 43 03 読んで下さりありがとうございます。 タイトルを見れば分かるように、ゆっくりの中の膿と人間の中の膿を比較するために書いた作品です。 ですが、この作中に出てきた虐待お兄さんも他の人が書かれれば立派殺される事もなかったと思います。 (名無しさん) 2008-12-05 17 30 26 確かに原作の靈夢と魔理沙ならばふぅ〜んとかへぇ〜で済ましそうですね…… 反省です。 本当は最初は霖之助の視点で書くつもりだったんですが、霖之助というキャラは本当に扱い難いキャラだったので諦めさせてもらいました。申し訳ありません。 あと、最後に色々書いてくださいと言ってくださり本当にありがとうございます。 虐待スレという場で、ぬるいじめでも良いと言ってくださり本当に嬉しかったです。ありがとうございます。 最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。お目汚し失礼!! 書いた作品一覧 ゆっくりいじめ系352 虐められるゆっくり ゆっくりいじめ系382 ある馬鹿なゆっくりの話 ゆっくりいじめ系394 きめぇ丸 ゆっくりいじめ系421 めーりんとこうりん ゆっくりいじめ系488 ゆっくり飼ってます ゆっくりいじめ系497 携帯でチマチマ書いてみた ゆっくりいじめ系571 みんなで食べよう ゆっくりいじめ系572 きめぇ丸その後 ゆっくりいじめ系596 ゆこまち ゆっくりいじめ系611 どこで何が狂い出したのか… ゆっくりいじめ系628 鳩と餌と糞 ゆっくりいじめ系793 誰かがやらねばいけないこと ゆっくりいじめ系823 保護場 ゆっくりいじめ系843 ゆっくり飼ってます2 ゆっくりいじめ系900 膿と膿 幽香×ゆっくり系9 ある馬鹿なゆっくりの話2 森近霖之助×ゆっくり系1 代価 ゆっくりいじめ小ネタ125 虫眼鏡 ゆっくりいじめ小ネタ128 ゆっくりが大好きだ!! ゆっくりいじめ小ネタ140 ガラス ゆっくりいじめ小ネタ146 生まれ変わり ゆっくりいじめ小ネタ251 飼われているゆっくり 野良のゆっくり
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あんまり熱いので川辺で涼しんでいたら、やたら甲高いカエルの声が聞こえてきた。 「ケローっ! ケローっ!」 なんだか泣いているらしい、生えた草を踏みつぶしながらこっちに向かっていく。 よく見ると、その後ろから水色のゆっくりが追いかけていた。 「アタイったらゆっくりね!」 どう見てもゆっくりだね。 どうやらゆっくりカエルはあのゆっくりに追いかけられているらしい。 ゆっくりカエルはぴょんぴょん跳ねて逃げ回るが、水色のゆっくりは上下に動かず、そのまま平行に動いて追いかけてる。どうやって移動してるんだ、こいつ? 「アタイったらゆっくりね!」 「ケローっ!」 突然、水色のゆっくりが一回り大きく膨らむと。 口から冷気を吐いて逃げてたカエルを凍らせてしまった。 ……おぉっ、そんなこと出来るのか。 「やっぱりアタイったらゆっくりね!」 「……あ、あ~う~……」 体が冷凍されてカエルの動きが止まっている。水色のゆっくりはそのままカエルに近づいていって……。 あ、食べた。 「あぁあああぁぁあぁあぁあっ!」 「ガジガジ」 「やめっ……たずっ……」 カエルシャーベットはあっという間に水色のお腹に収まっていった。水色の大きさは大体30センチぐらい、カエルも同じぐらいだったんだが……スゲェ喰うな。 「アタイゆっくりだよっ! ゆっくりしてるよ!」 食べ終わると高らかに周りに宣言し始める水色ゆっくり。周りには誰もいないのに誰に言ってるんだ。 水色の体は宙に浮き、その辺を行ったり来たりしている。 こいつ、飛べるのか。 飛べるゆっくりなんて肉まんかあんまんぐらいかと思ったが、他にもいるんだな。 ……。 暴れ回っている水色を見て思う。 こいつがいたら、部屋も涼しくなるんじゃね? ……。 取りあえず話しかけてみた。 「ゆっくりしていってねっ!」 「ゆっ? アタイゆっくりだよっ!」 ……それが挨拶なのか? 「ああ、見てたよ。見事にゆっくりしていたな」 「そうだよ! アタイったらゆっくりだからねっ!」 おまえの言ってることはよくわからん。 「なるほど。でもやっぱりゆっくりなら、よりゆっくり出来る場所に行きたいものじゃないか?」 「ゆっ? アタイゆっくりしてるよ?」 「ここもゆっくり出来るけど、俺はもっとゆっくり出来る所を知っているんだ。興味ないか?」 俺の言葉に、水色は眉間に皺を寄せて考えている。よくわかってないらしい。 ……ゆっくりは馬鹿だ馬鹿だと思っていたが。 こいつは、輪をかけて馬鹿だな。 あまりに話が通じないので、掴んで持っていくことにした。 「ゆっ! アタイに何するのっ!」 「冷てっ!」 水色に触った瞬間、手に走る冷たさ。手がくっつくかと思った。こいつ氷で出来ているのか? 急に触れて機嫌を損ねたらしい。冷気を出した時のように顔が膨らんでいた。 「おじさんはゆっくりじゃないね! どっか行ってね!」 いつ俺がゆっくりだって言ったんだよっ! ……ちょっと腹立ってきたぞ。 「お前だって、ゆっくりじゃねぇよ」 その言葉は心外だったらしい。凄い形相でこちらを睨みつけてきた。 「アタイはゆっくりだよっ! ゆっくりしているよ!」 「どこがだよ! 全身氷のゆっくりなんて聞いたことねぇよ! あんこ吐けあんこっ!」 「ムッキーっ! ゆっくりったらゆっくりだよ!」 「だったら付いてきて証明してくれよ。お前がゆっくりだって」 「いいよ! ゆっくりしにいくよ!」 売り言葉に買い言葉。 気づいたら、水色が家へ来る流れになっていた。 俺にとっては願ったり叶ったり……なのか? なんだか間違えた気が……。 家に連れてきて3時間もすれば、自分がどれだけ間違えていたかがよくわかった。 畳の上を歩いたら畳が凍りつく、冷気を吐かせて涼しくしようと思ったら「アタイやすうりはしないよっ!」と言われる始末。それじゃ西瓜でも冷やすかと水色の上に置いたら凍りつき、後々「なにするのさっ!」と怒られる始末。 そして何よりも。 「アタイったらゆっくりねっ! アタイったらゆっくりねっ!」 意味もなく騒いでいるのが最高に鬱陶しかった。 こんなに使えないなんて……。 俺は頭を抱える。正直とっとと放り出したいところだが、体が冷たすぎて触れない。それじゃ勝手に帰るのを待とうと思ったら、どうも家が気に入ったらしく、まるで帰る気配がない。 他のゆっくりなら食べれば済む話だが、正直、30センチの氷を食べるなんて考えたくもなかった。 まさか力ずくで相手に出来ないゆっくりがこんなに扱いづらいなんて……どうしたものか。 ……ん? 「アタイったらゆっくりねっ!」 相変わらず叫ぶゆっくりは放っておいて、俺は思考を走らせ始めた。 そういえば……。 立ち上がり、押し入れを漁り始める。ここに確か……お、あった。 俺は鉄のかたまりを持ち上げると、水色の目の前に置いた。 「ゆっ?」 鉄のかたまりを指さして、水色に言う。 「ここに平べったくて乗れそうな所があるだろう」 「アタイゆっくりだよっ!」 ……まぁ理解したってことだろう。 「お前ここに乗れるか? 無理かなぁ、狭いかなぁ?」 「ゆっ! アタイゆっくりだもん! のれるよっ!」 案の定、挑発に乗って移動する水色。普通のゆっくりなら苦戦しそうだが、空を飛べる水色はあっさりと上に乗ってみせた。 「ほらねっ! アタイったらゆっくりでしょっ!」 「はいはい、そうだね」 乗るのはすげぇ速かったけどな。 俺は鉄のかたまりの頭についているレバーを回していく。 ほどなくして、水色が上から押さえつけられた。 「ゆっ!」 さてと。 用意しておいた器を下に置く。 「何するのおじさん、アタイゆっくりだよっ!」 はいはい。 横のレバーを回し、かき氷を作り始めた。 「あ、ああ゛あ゛あ゛ぁあ゛あ゛ぁっ!」 水色が回転し、器に削られた氷が乗せられていく。 「あ゛がががががっ!」 シャリシャリと音が鳴りながら、あっという間にかき氷が出来上がった。 「あっ……あっ……」 おおっ、普通に食えそうだな。えーと……。 出来上がったかき氷を手に俺はふと気づく。 そういえばシロップがなかった……。 俺はかき氷を一端置くと、そのまま外へと出る。 どうせその辺に……お、いたっ! 「みんなゆっくりしてねっ!」 「ゆっ!」 「うん、ゆっくりするよっ!」 そこにいたのは、ちょうど手のひらサイズの子供達3匹を遊ばせようとしていたゆっくりれいむの家族だった。 取り合えず親れいむを蹴り飛ばす。 「ゆ゛ぐっ!?」 変な叫び声を上げて飛んでいく親れいむ。こいつらってよく歪むから、あまり遠くまで飛ばないんだよなぁ。 「お、おかあさんっ!?」 「なにするのおじ──」 有無を言わせず、その場にいた子供れいむをかっさらっていく。 「うわあ゛あ゛ぁあ゛ぁぁっ!」 「なにずるのっ! ゆっぐりざぜでっ!」 「おがあざーんっ!」 子供の声に活性化されたのか、いきなり親れいむが起き上がってくた。元気だなこいつ。 「れいむのあがじゃんがえじでぇえぇぇぇっ!」 シュートッ! 「めぎゃっ!?」 ゴーーーールッ! 綺麗な放物線を描いて、親れいむが飛んでいく。……我ながら綺麗に飛んだな、体歪んでるのにぜんぜん減速してねぇや。 あ、誰かの家に飛び込んだ。 「いやぁあ゛ぁぁあ゛ぁあ゛ぁぁぁあ゛あ゛っ!」 「おがあ゛ざあぁぁあぁあぁぁんっ!」 邪魔者を排除して、俺は家へと戻ってきた。 「あっ! どこ行ってたの! アタイをむしするなんておじさんゆっくり──」 煩いのでレバーを回す。 「あぎゃぎゃぎゃぎゃっ!!」 水色を黙らせて、俺はかき氷を確認する。よかった、まだ溶けてないな。 「おじさん! 早くれいむたちをかえしてね!」 「おじさんとはゆっくりできないよっ!」 「ゆっくりしねっ!」 手に抱えていた子供れいむたちを、そのまま手のひらで丸めていく。 「うぎゃぁあ゛ぁぁあ゛っ!」 「うぷぷぷぴゅっぷぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅっ!」 「やめでうぶあおじあぶげまぜうぎゃっ!!」 しっかり混ざったあんこを、そのままかき氷の上に乗せた。 氷宇治あずきの出来上がりと……。 一口食べてみる。 ……うーん。 普通の氷宇治あずきより喰いづらいが、そのまま氷を食べるよりマシか……なにより甘いしなっ! 「ここか」 「ここだよ! ここに入っていったよ!」 「これで嘘やったらタダじゃすまさへんど」 あん? 玄関の方で声がした瞬間、大きな音を立てて扉が開かれた。 「ゆっくりっ!」 なんだ、さっきの親れいむじゃないか。……あれ? 「ちょっと失礼しますよ」 親れいむの後ろには男が付いてきていた。何だ? 「なんか用ですか?」 「いや、さっきこのゆっくりが窓から飛び込んで来てな。ふざけるなと怒鳴ったら、吹き飛ばしたのは兄ちゃんやって言うんで話聞きにきたんや」 ガラ悪っ! つーかこのゆっくり、あれだけけっ飛ばしたのになんで生きてるんだよ……。 「そう言われても、俺今日ここから出てないですし……」 「なにいってるのさ、さっき──」 レバーを回す。 「あぎゃがぎゃがっ! も、もうやめでよ゛っ!」 余計なことを言うからだ。 「それにゆっくりをけっ飛ばすなんて誰だってやるでしょ、俺だっていう証拠がないじゃないですか」 「まぁそうなんやけどな……」 俺の言葉に面倒くさそうに頭を掻く男。どうも泣きつかせて儲けようという考えだったらしいが、引く様子がないので迷っている。 そもそもガラス代も、この親れいむを加工所に連れていけばちょっとは金になるし、大きな騒ぎにしたくないのが本音だろう。 「ゆっ! そんなことないよっ! れいむを蹴ったのはおじさんだよっ!」 ……煩いのがまだいたか。 「だから証拠がないだろう。何かあるのかよ」 「れいむの子供どこにやったのっ! あの子たちがいる筈だよ!」 「この部屋のどこに子ゆっくりがいるんだ?」 周りを見渡す男と親れいむ。もちろん子ゆっくりなんて影も形も見あたらない。あるのはかき氷に乗ったあんこだけだ。 「ゆっ! そ、そんなはずないよ! どこにいるのぉっ!」 呼び掛ければ返事をしてくれると、親れいむが叫び始める。 その間に、男と目があった。 「……」 手に持っていたかき氷を見せる。 「……」 男は頷くと、そのまま親れいむを片手で鷲づかみにした。どうやら伝わったらしい。 「ゆっ!? な、なにするのお兄さん!!」 「どうやら嘘だったみたいだな……」 その言葉に、親れいむは饅頭肌を青くして震えた。 ……どうやって色変えてるんだ、この不思議生物。 「ち、ちがうよ、れいむうそなんて」 「それじゃ約束通り、加工所いこか」 「いや゛ぁぁぁあ゛ぁぁあ゛あ゛ぁぁっ! かごうじょばい゛や゛だぁぁぁあ゛あ゛ぁっ!!」 暴れ回るが、ゆっくりが人の力に逆らえるわけがない。 食い込む親指の感覚に震えながら親れいむは連れて行かれる。 ……。 出て行く瞬間、俺は親れいむが見えるようにかき氷を食べ始めた。 「あ゛あ゛っ!!」 扉が閉められる。 親れいむの暴れている声が聞こえていくが、もう俺には関係ない。 ……やれやれ。 ため息をついてその場に座る。予想してなかった騒ぎに疲れがたまった。 ……。 俺は最後の光景を思い出し、思わず顔がにやけてしまう。 あの絶望で満ちた顔に、俺は溜飲が下がる思いだった。 さて。 業務用かき氷機の方を見る。 「おじさんゆっくりじゃないねっ! 早く外してねっ!」 さっきは喋らなかったので、ちょっとは学習したかと思いきや、時間が経つとまた水色は喚き始めた。 ……やっぱり、馬鹿だから数分で忘れたんだな。 それだけ忘れられたら、人だと幸せに生きられるんだろうが、水色が忘れても鬱陶しいだけだ。 しかし、どうするか。 全部削って食べるのは流石に辛い。 いっそ、削ってそのまま流しに捨てるか。 水色を処分する方法を考えながら、取りあえず腹が減ったので俺は洗い場の方へ向かう。 「ちょっとむししないでよっ! アタイはむしたべるんだからねっ!」 ……。 一瞬、無視なんて知っていたのかと思ったが、やっぱり馬鹿は馬鹿だった。 何かないかと食材を探し始める。 えーと、何か食えるものが……。 ……あ。 「だからむししないでっ! アタイたべちゃうよっ!」 ……うん、面白そうだな。 俺はその場から離れると、今度はかき氷機に近づいていった。 「ゆっ?」 「わかったわかった助けてやるよ」 頭についたレバーをゆるめ、水色を動けるようにする。 途端、水色は俊敏な動きで逃げ出していた。 「ゆっ! ようやくアタイがゆっくりだってわかったみたいね!」 だから、その速さのどこがゆっくりなのかと。 「でもおじさんはゆっくりじゃないねっ! アタイそろそろかえるよっ!」 「ああ、帰るのか?」 「ええ! ゆっくりじゃないおじさんはとっととれいとうはそんされてね!」 破損してどうする。 「残念だな。せっかくエサを用意してたんだが……」 言った瞬間、水色がこっちを見ていた。凄い食いつきだな……。 「エサっ? アタイしたにはうるさいよっ!」 「ああ、ゆっくりには美味しいって絶賛されているものがあってね。それなら満足できると思ったんだ」 ゆっくりに絶賛と聞いて興味が惹かれたらしい、さっきまでとは打って変わって瞳が輝いている。 「いいよっ! ゆっくりたべてあげるねっ!」 「そうかい、それじゃちょっと待ってな」 俺はまた洗い場へ引き返す。 水色に与える食材を手に取り、そのまま引き返してきた。 「それじゃ今から目の前に置くから、ちゃんと凍らせろよ」 「もちろんだよ! アタイに任せておいて!」 顔を張って自信満々に言う。 俺は手を開き、素早く食材を置いた。 水色の顔が膨らみ、瞬間冷凍しようと冷気を吐く。 しかし、食材が凍ることはなかった。 「ゆっ?」 「なんだ、凍らないみたいだな」 食材は水色よりも小さいながら同じゆっくりだ。しかしゆっくりカエルを食べていた水色には特に疑問はないらしい。特に気にせず、どうして凍らなかったのかを考えている。ああ、馬鹿でよかった。 「まぁいいじゃないか。そのまま食べてみたらどうだ?」 「もちろんアタイそのつもりだよっ! おじさんはだまってて!」 はいはい。 言われた通り黙っておくと、水色は躊躇せず大きく口を開けて、そのゆっくりを飲み込んだ。 「もぐもぐ」 「……」 「もぐもぐ……っ!?」 突然、口を開いたまま水色が痙攣し始めた。 「どうした? 美味しくないかっ?」 「ちがうよっ! アタイゆっくりだよっ!」 なんか慣れたな。 「お、おじさんっ!」 「なんだ?」 「あ、熱いよっ! すっごくあつじっ!?」 水色が最後までいい終わらないうちに、食べたゆっくりは水色の頭を通って中からはい出てきた。 「もこーっ!」 それは、ゆっくりもこうだった。 やっぱり、中で燃えると溶けるもんなんだな。 「あ、あああああああああっ!」 水色の痙攣は止まらない。もこうはそのまま水色の頭に乗って燃え続けている。 「もっこもこにしてやるよっ!」 「とける、アタイとけちゃうっ!」 もう頭の上部分は完全に溶けて、俺の家の床を水浸しにしていた。あとで掃除しないとな……。 「おじさんっ! 水っ! 水ちょうだいっ!」 「水ならそこの壺に入ってるぞ」 言い終わった途端、壺に向かって飛んでいく。 しばらくして、水色の大きな声が聞こえてきた。 「なかからっぽだよぉおおぉおおおぉおおぉっ!」 そりゃな。もったいないじゃないか、水が。 俺は両手でしっかり抱え、そのまま壺に向かっていく。 中を覗き込むと、もう半分近く溶けきった水色がそこにいた。 「お……おじさ……アタイ……」 「何だかさっきよりゆっくりしてるなっ!」 「……ち、ちが……」 「そんなお前にプレゼントだ。受け取ってくれっ!」 水色の上へ抱えていたものを落としていく。 抱えていたのは大量のゆっくりもこうだった。 「あ……」 「もこたんいんしたおっ!」 全員が一斉に炎を纏う。 「……あた……」 あっという間に、水色は溶けきって水に変わっていた。放っておけば蒸発し、跡形もなくなくなるだろう。 俺は安心と落胆でため息をついた。 やれやれ、もうちょっと使えると思ったんだがなぁ……。 もこうは一定時間炎を纏う。出せる時間に制限があるものの、物を燃やす時はかなり便利だ。 俺は使えるゆっくりはちゃんと使っていくが、使えないゆっくりほど邪魔なものはない。 いいゆっくりは、使えるゆっくりだけだ。 さて……。 改めて飯を食おうと、洗い場へ近づいていく。 「もこーっ」 そこに残っていたゆっくりもこうが、元気な声を上げていた。 End ゆっくりちるのをゆっくりもこたんで溶かしたかった。 すっきりー。 by 762 このSSに感想を付ける
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※幻想郷はすでに外界(特に日本アルプスの近く)にさらされているとの設定でお読みください。 ※他の人の設定・パロディが多いです。そういうの嫌いな人注意。 「こんにちは。ゆっくりしていってください。」 その図書館の主、ゆっくりぱちゅりーが言った。 祖父いわく、今はゆっくり種と共生を始めて100年がたつという。 祖父は「あんな害獣と共生?駆逐の間違いじゃないのか?」とも言った。 さて、ゆっくり種は基本山中に住んでいる。 そのことについても祖父は「きっと人間を殺そうとしてんだよ」という。 祖父は、現役の農夫だったころゆっくりの駆逐を成功させたメンバーの一人であった。 幻想郷の人里にはゆっくりがいなくなった。 森にも川にもいない。ゆっくりは絶滅した。 そう思っているときに日本政府が「ゆっくりとの共生」を政策として打ち出したせいで祖父はキレてしまったのだ。 ちなみにゆっくりを1匹殺したせいで祖父は監獄生活を謳歌している。 「…そんな矛盾があったんだけど、そのことについての本はありませんか?」 私はゆっくりぱちゅりーに尋ねる。 「ああ、でしたらこの本がいいでしょう。差し上げますよ。手書きの原稿ですから読めないかもしれませんけど…」 彼女は主に人向けのゆっくりについての本を書くことで生計を立てている。 図書館には彼女の本で2棚埋まっている。3年くらいしか物書きはやってないらしいが、この量を書けるとは。 きっとその金がだぶついた部分を彼女以外の本の購入に当てているのだろう。献身精神がうらやましい。 …話がずれたが、その原稿は彼女の最新の本、「ゆっくりの歴史」の原稿だった。 「ありがとう。あとこの二冊借りていきますね。」 手早く手続きを済ませ、我が家に帰っていく。 「…さて、次の本は久しぶりに恋愛小説で…」 去り際に聞こえた彼女のハスキーな声で、彼女がどういう内容で書くかは大体想像できた。 せっかくもらったんだ。脳内の矛盾をただすために読むんじゃなくてゆっくりを理解するために「読破」するんだ! そう思って私は寝ころびながら丸い文字に目を通し始めた。 {~第一章 魔法の森のゆっくり~ 私は伝聞でしか知らないが、魔法の森はゆっくりのすみかにちょうど良かったらしい。 山の上で生まれ、山で育った私たちとその祖先には理解もできない話だが。 さて、代々私の家系に著書のネタを持ってきてくれたきめぇ丸(126)さんによると、 「森は強権者が独裁する地域だった」そうである。 彼女は新聞屋をやっていたので、このことは山のゆっくりにはすぐ伝わった。 この本の執筆に関して、きめぇ丸さんに当時の記事をいただいたので、ご厚意に甘えて載せさせていただく。} へぇ…まず祖父が駆逐したゆっくりと今いるゆっくりとは違うってことか。 あときめぇ丸さんは意外といい人だなあ。新聞の押し売りがなければ。 そう思い、次のページへと目を向ける。 {野蛮な森のゆっくり ※連載小説でないことを断っておく。 私きめぇ丸は、人里に新聞のネタを採集しに行った際に、魔法の森を通った時、森のゆっくりの虐殺による人民統制を目撃した。 以下がその写真である。 (筆者注:原典にはここに大量のゆっくりみょんを虐殺するゆっくりまりさの写真が貼ってあったのだが、全年齢向けの本であること、現在生きている上の二種類への冒とくとなることを考え白ぬきにしていることをご了承していただきたい。) 私はオフィスまで死にかけたゆっくりみょんを運び、事情を聞き出した。 彼女が言うには、 「巨大なまりさがみょんのコミュニティに襲いかかってきたれみりゃを追い払った」 「その際にリーダーが死んだのでそのまりさがリーダーになった」 「まりさは『ぜい』というものとして毎日食料を貢ぐことを全員に強制した」 「リーダーは絶対なので一生懸命働いた、貢がずに処刑されたものもいた」 みょんはここまでは普通だという。すでにおかしいと思うが。 言葉通り、さらにおかしいことが起きるのだが。 「ある月のない夜に、まりさとありすが逢引きをしていたら、次の日からリーダーまりさがありすをすべて処刑し始めた」 推測するにリーダーの息子だったのだろうが、それなら一家根絶でいいだろうに。 このみょんはその時の処刑役を任されたが、リーダーは高笑いしていたという。 「とんでもないものをリーダーにしてしまった」 「このままじゃあまりさ以外のみんなが死んじゃう」 「山には憎しみあわないゆっくりがいる」 それを知っていたみょんは夜に逃げ出し今に至っている。 (ちなみに写真のみょん種一斉処刑は逃げ出した1日後に始まった。 リーダーまりさの「1匹足りない」という言葉を盗み聞けたので間違いない) 怪奇ゴシップにも思えるかもしれないが、これは事実である。 これを読んでいる皆さんも、地上に買い出しに行った時には魔法の森には近づかないでほしい。 (原典:文文。新聞 分家 315号 (太陽暦で)1912年3月11日) 原稿と本の体裁上、上の一記事分しか載せられないが、この後に、れいむ種、ちぇん種、ゆかり種、さくや種と(難癖をつけられての)虐殺が続きこれでもともといたのはまりさ種とぱちゅりー種しかいなくなったという。 そして救出されたみょんの願いもあってきめぇ丸さんが一人でリーダーまりさを陥落させたらしい。ゆっくり史上最初の事件である。 (ただし人間からの虐殺は前に存在する。それらは地上のゆっくりが悪いので入れないことにする)} きめぇ丸さん本当にいい人。押し売りがなければ。 それと森のゆっくりと言われているやつらのあさましさがよくわかった。 祖父が殲滅したのはこいつらだろう。 ページを進めよう。 {次にあった事件は1952年の「青い石」事件である。 れいむ種の家族が人間の住み家にあがりこみ、放射性元素(ただし推測。私の学者仲間には有毒ガスというのもいる)でできた石を巣へと持ち込んだ。 ゆっくり唯一の臓器「あんこ」を放射線に侵され、居候のまりさが脱走して逃げた以外は巣で全滅し、そのまりさは「ゆっくりできない死臭」を振りまいているせいで投石による殺害が行われた。また好奇心の強いありす種が巣に入って死亡した。 その後巣は「ゆっくりできない場所」として成体まりさが封印し、近づかないようにさせたが、投石部隊と見張りは既に放射性物体になっていたので殺害され、ループが長く続いた。 森のゆっくり単体としてはこれで事件はなくなる。 ちなみにこの後1年後駆逐される。 さて次の章は水辺のゆっくり編とさせてもらおう。} なるほど。 危険物の危険の程度がわからないというのだろうか。 放射線特有の恐怖というか。 今日は眠いので続きは明日にしよう。 続く =========================================== ゆっくりの歴史を創作してもいいんじゃないかと思い。 「いじめスレ」と「愛でスレ」に同じ題材で 投稿しようとしたのが間違いだった。 もったいないので二つを混ぜて投棄場にうp。 青い石事件は「ゆっくりいじめ系149 ゆっくりと青い石_前」が元ネタです。 正直最初からまともなSSを書こうと思わんほうが良かったかも。 続き ===================================
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一人暮らしなのに、家に帰ると出迎えがあった。 「ゆっくりしていってね!!」 「ここはれいむのおうちだよ!!おじさんもゆっくりしてね!」 やれやれ、またか。最近多いな。 相手にしているときりがないので、無視して先ほどコンビニで買ってきた「ゆっくり専用ごみ袋」を取り出す。少々大きめで、丈夫な素材でできている代物だ。 反応がないことに不満で、足元にぽよぽよぶつかるゆっくり2匹をつかむと、ゴミ袋に入れる。「ゆっくりだしてね!!」などとほざいているが、例によって取り合わない。 中にはいるとお母さんれいむとその子ども達が数体好き勝手に遊びまわっていた。 「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」 まったく。 「おじさん!!たべものがここにはないよ!ゆっくりできないよ!」 「おもちゃもないよ!!つまらないよ!!」 「ゆっくりたちにごはんとおもちゃをあげてね!!」 「「「あげてね!!」」」 ゆっくりが大量に増え住居侵入被害にあうことも珍しくなくなったため、一般家庭でもゆっくり対策を講じることが珍しくなくなった。我が家もその一環として食料庫や貴重品をしまう箱にはカギをかけているため大した被害はなかったのだが、ゆっくりたちにはそれが不満だったらしい。 そんなにつまらないなら諦めて出て行って欲しいのだが、この時期天敵の雨を凌げる場所はやはり欲しいらしく 「でもここはあめがこないから、れいむたちのおうちにするね!!」 「ここでみんなゆっくりしようね!!」 「「「「ゆっくりしようね!!」」」」 まぁ、これもいつものことなのでスルー。ずうずうしく「ごはんまだ?」ところをあっさりと捕まえると、ゴミ袋にポイポイ入れていく。ゆっくりたちは袋の中で「ゆっくりはなしてね!!」「ゆっくりできないよ!」とうるさいが、こいつらに事情説明しても事態は好転しないのはよーくわかっている。ひととおり入れたところで袋の口を縛り、袋にはまだまだ余裕があったがゴミ回収場に向かう。、 階下の回収場にはいつの日からか「もえるゴミ」「もえないゴミ」「資源ゴミ」のほかに「ゆっくり」のカテゴリーが追加されており、既に何個か専用袋が鎮座している。ご近所も災難だな。 袋の中からはまだゆーゆーうるさい声が聞こえる。このままでは近所迷惑になるので、早いところ静かにしてもらおう。袋をその場で回転させ、勢いをつけたところで道路に叩きつける。 どすんっ。 「「「「ゆ゛ーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!?」」」」 「や゛め゛てぇえええええええっ」 「ゆ゛っぐりでぎな゛いいいッ」 構わず何度も打ちつける。 どすんっ。 どすんっ。 どすんっ。 このようにして、餡子ペーストになるまでゆっくりどもをまとめて潰すのだ。なんでも、このために袋は丈夫に作られているのだとかそうでもないとか。 しかし餡子って意外と重いな。ちょっと腕が疲れてきたので腕を休めていると、中からの声は随分小さくなっていた。結構な数がただの餡子に成り果てたらしい。 「な゛んでごんな゛ごとにぃいいっ」 「ゆっぐりしだいよぅ・・・・」 なんでってまぁ、人様の家に勝手に上がりこんで自分の家宣言じゃなぁ。境遇を考えればちょっとかわいそうだが、もうちょっと愛嬌の振りまき方と遠慮を学んでくれ。 せめて楽に死なせてやるのがやさしさか。ということでトドメ。 どすんっ。 沈黙した餡子袋を回収場に置いて部屋に戻る。ストレス解消にならないでもないが、こうちょくちょくやらされるのも難儀だな。 ため息をつきながら、とりあえず座布団に腰を下ろすと 「ゆ゛っ」 ・・・尻にくぐもった音と何かがつぶれる感触。見てみると、小さなゆっくりの成れの果てがあった。どうも1体ほど隠れていたのを見落としていたらしい。おかげで床にあんこが汚れてしまった。また面倒が増えた。 一人暮らしの寂しい身、ちいさいの1体ぐらいなら飼ってやらないこともないんだけどな。惜しいことをしたかな、と思いつつ、不幸なゆっくりの死体を始末した。 ゆっくりが現れてからというもの、小さな面倒が増えたものだ。 おわり
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ゆっくりと勇気あるゆっくり 森の奥には、ゆっくりと言えど近づくことはない。 人間が入ってこれなくとも、更なる脅威が待ち受けていることを、ゆっくり達 は理解しているのだ――。 ・ ・ ・ 「みんな、ゆっくり理解したかな!」 「「「ゆー!」」」 ここは、森の中にあるゆっくり教室。 大人のゆっくりが、周辺の子ゆっくりを集めて、生きる術を教えるプレイスだ。 その間親ゆっくりは狩りにいそしむことが出来るため、この一帯に生きるゆっく り達は、他よりも比較的にゆっくり出来ていたのだ。ゆっくり教室を立ち上げた のは、一人のゆっくりれいむであった。回復の早いゆっくりであるに関わらず、 頬や頭に穿たれた古傷は癒えることはなく、子ゆっくり達に威圧感と、それに勝 る信頼感を与えていた。 数年前に行われた、ゆっくりプレイス調査。森の中で、さらにゆっくり出来る プレイスを探し出す、主に子ゆっくり達が大人に隠れて行った大探検だ。探索は 複数回に渡り行われ、その都度新しいゆっくりプレイスを見つけることが出来た。 その歩みを森の奥へと進めるまでは。 彼女はその「生き残り」であった。子供たちが尋ねても、森で何があったのか を詳しくは語らない。だが、森の奥にだけは行かないように、周りのゆっくり達 に話して聞かせるのであった。 「いいかい、草と草がこう絡まっていたら――」 「少し地面の色が違う場所、一部だけ草に覆われたがあったら――」 「敵を攻撃するには必ず集団で、連携をして攻撃――」 「複数の敵に襲われた時に姉妹が怪我をしたら、すぐ逃げるんだよ、それはおび き寄せるために殺していないのだから――」 などと、講義の内容は自然を生き抜くだけでなく、罠の見分け方、殺戮下にお ける生存方法などが主眼となされていた。そのため、大人達は彼女のことを、 「きっと狡賢い人間に酷い目に遭わされたのだろう」と考えていた。また、この 教育を受けた子供たちは、人間の罠に掛かることも、逃げ帰ることも多かったため、 教室が潰されることはなかった。 「あう゛っ! い、いだいよー!」 殺傷能力の少ない罠に掛かった子れいむが、涙ながらに彼女の元へ寄ってくる。 「どれどれ……ああ、これならすぐゆっくり治るよ」 「ほんとう?」 「ゆっくりしていなさいね」 子れいむの傷口に口をあて、モゴモゴと舐める仕草をする教師れいむ。彼女に は不思議な力があり、簡単な怪我であれば治すことが出来た。特殊能力と言うわ けではない。口内の傷口から餡子を出せるようになってしまっただけだ。重傷の ゆっくりを直すには自分の餡子に限りがあるが、軽傷であれば負担にもならない。 多少重い傷のゆっくりに、自分の頬を食べさせたこともあった。 「う゛ー、う゛ー、……う? 痛くない! ゆっくり治ったー!」 「「「せんせいすごおおおおおい!」」」 彼女は騒ぎ立てる子ゆっくり達をまとめながら、新たな罠について説明をする のであった。 「ゆっくり帰ってきたよ!」 一日も終わり、住処へと帰る教師れいむ。 「ゆっくりお疲れさま!」 「「ゆっくりしていってね!」」 つがいのゆっくりまりさが優しく出迎える。教師れいむはこのつがいのことを、 誰よりも深く愛していた。共に野原を駆け回った幼馴染。そして自分のせいで怖 い思いをさせた「生き残り」の一人。彼女はゆっくりまりさの愛らしい顔に刻ま れた、幾筋かの古傷を見るたびに、あの出来事を、考えの至らなかった自分の態 度を、深く憎むのであった。 「学校はゆっくり出来るの、れいむ?」 そんな自分の思いを見透かしたかのように、まっすぐ自分を見つめて話を振る つがいに、照れたように視線をそらすゆっくりれいむ。 「もうすぐみんな、卒業だね。これで皆ゆっくりできるよ!」 自分が教えることはもうあまり残っていない。後は自分達で考え、生き残る努 力をするだけだった。それに秋も深まっており、そろそろ餌集めの手伝いをしな ければいけない時期に差し掛かっていた。そこまで考えた彼女は、自分を見つめ る熱を帯びた視線に気が付いた。 「ま、まりさ……っ」 「れいむっ! わ、私の子をゆっくり生んでねっ! みんなを守れるくらい、勇 気に満ちた、可愛らしいまりさ達の赤ちゃん産んでねっ!!」 当たり前だよ、と、れいむは微笑んだ。だって、自分とまりさの子供なのだから。 優しく口付けをするつがいに、そう心で呟いた。 ・ ・ ・ 襲撃があった。 これから生まれる赤ゆっくりに思いを馳せて、次第に育つ枝ぶりを愛おしく眺 めていた、そんな時に限ってだ。 襲撃者は群れはぐれゆっくりだそうだ。飾りを失い、生き延びて、なお生き残る ために群れ、ゆっくりを襲うはぐれゆっくりだ。襲ったゆっくりから飾りを得る のではなく、命を奪い去るのであるから性質が悪い。飾りを奪い取ったとたん、 他のはぐれから裏切りの烙印を押されるのであるから、彼女らにすればそれは当 然なのだろうが。 きゅ、と唇をかみ締める。「生き残り」であるからには、例えゆっくりだとし ても忘れることの出来ない思い出があるのだ。教師れいむは、つがいのまりさと 共に住処を飛び出した。 ・ ・ ・ 「生き残り」の教育とその場の指示が的確であったためか、騒ぎは次第に沈静 化していった。死傷者は少なからずいたが、被害はそれほど多くは無かったのだ。 生存者を探し、残党を狩りつつ、ゆっくり教室を開いている広場にたどり着い た彼女達が見たものは、複数のはぐれゆっくりと、襲われ嬲られている教師れい むの教え子達であった。 「いっくぞー、ほーれ♪」 「ぎゃはははは! ゆっくりしね~♪」 「ゆ゛っぐぢいいいい」 「きゃっちぼーるはゆっくりできるなあ~♪」 ただ投げあうのではなく、皮を毟るように子ゆっくりをほおり投げるキャッチ ボールなど、存在していいはずがない。 「ほーら、まりさの体はゆっくりしてて美味しいだろ~?」 「あがががが! あがっががが!」 小さい口に無理やり大人の体をねじ込んで、顎を引き裂く真似など許せるはず がない! 「ほーれ、ぷっすぷっす♪」 「いだあああ! ゆっぐぢおうじがえどううううう!」 体を貫く細い枝は迫害された時に埋め込まれたのだろうか、悪意を憎悪として 他者に向けるなど、してはならないのだ!! 教師れいむはその鬼畜どもに体当たりを食らわせた。 「ゆっくりとしんでね!! ゆっくりとしんでいってね!!」 憎い憎い飾り付きをいたぶっていたお楽しみを邪魔されたはぐれゆっくり達は、 いきりたちその牙を彼女へと向けた。注意をこちらに引き付けたところで、死角 に回り込んだつがいまりさが攻撃を仕掛ける。一撃必殺とまでは行かないが、目 の部分に体当たりをすることで大幅に戦闘力を削ぐことは出来る。 一撃ごとに姿をくらまし、教師れいむが挑発し、また一撃を加えるという作戦 は、極めて効果的であった。問題は、駆逐に時間を要したことだ。 「ぜんでぇ……たずげ……」 「ひぃ……ゆっぐりじだ……」 「おがあじゃ……」 最後の一匹を屠るまで、生命力の乏しい子ゆっくりたちは着実に命を散らし始 めていたのだ。教師れいむが子ゆっくり達を助けるために番いの傍を離れた、そ の刹那。息を潜め、死んだふりをしていたはぐれゆっくりが、猛然とつがいまり さに襲い掛かった。 不意を付かれたつがいまりさに為す術はなく、教師れいむが助けに入るその数 瞬きの間に皮膚を割かれ、餡子をすすられてしまった。 ――致命傷。だが、自分の餡子を全て吹き込めば、つがいまりさは息を吹き返 すだろう。だがそれを押し止めたのは、他ならぬつがいまりさであった。 「どーじで! までぃさ死んじゃうよ!?」 「まりざより……あのご達を……お願いじばず」 「でも、でも……!」 「まりざをだすけだら、あのご達は……」 つがいのまりさは助けられるだろう。だが、つがいまりさを助けてしまったら、 今助けを求めている子ゆっくり達は、一体誰がその命を助けると言うのであろう か。教師れいむには、番いの言いたいことは痛いほどよくわかった。 「でもっ!」 「まりざばっ!!」 引きつったように笑みを浮かべて、送り出すように告げるつがいまりさ。 「か弱いゆっぐりを助ける、そんな優しいでいぶが、だいずきでず……っ!!」 「……!! ――ごめん! ごめんでばでぃざ! だずげらでなぐで、ごべんで えええ!」 一生をかけて愛した番いの最後に背を向けて、己の勤めを果たそうとする彼女 に向けられた一言は、彼女の勇気を奮い立たせるに足りるものであった。 ――ありがとう、ゆっくりと愛してくれて―― 「産むからで! でいぶだじのがばいいあがじゃんを、とてもいざまじいあがじ ゃんを! か弱いゆっぐでぃをだずげる、ゆっぐりなあがじゃんを産むがだで! だから、――ゆっぐりじでいっでで!!!!」 返事は聞こえなかったが、彼女の胸の中では、最愛のまりさがゆっくりと微笑み を浮かべていた。 ・ ・ ・ 生き残ったゆっくり達を迎えたのは、惨状であった。教室のあった場所に累々と 積もるはぐれゆっくり達の屍骸。痛ましく寄り添う教師れいむとその番いの屍骸。 そして教師れいむから猛々しく伸びる新たな命と、怪我も癒えた子ゆっくり達の姿 であった。 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 敵が居ないこと、自分達の子ゆっくりが無事なことを喜び、集落の勇者達が命を 落としたことに絶望し、その勇者達が新しい希望を紡いでいたことを、複雑な心境 ではあるが、喜んだ。 頬の傷を癒してもらおうと教師ゆっくりを探していたゆっくり達は、彼女がも う居ないことを嘆いた。 「先生の顔を食べると、傷が治って、とてもゆっくり出来たんだよ!」 「ゆっ、本当だよ! 他にも直してもらったれいむもたくさんいるよ! 昨日も!」 「先生は食べた時もぜんぜんゆっくりだったよ! だから直してもらいたかったの に……」 なるほどと大人のゆっくり達は思いを馳せる。確かに、幾度か怪我を直してもら った覚えもあった。ある者が呟く。 この赤ちゃん、先生の子供だよね! じゃあきっと、……。 ・ ・ ・ 煌き始める地平線に、輝く未来に向かって伸ばされた枝は、ゆっくりを守り抜き、 ゆっくりと生きるはずの、勇ましく生きるはずのその命は、ただの一度も朝日を拝 むことはなかった。 このSSに感想を付ける
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近年野良ゆっくりの勢力が拡大してきた。 畑を荒らし食料を貪る野良ゆっくりは もはや山賊と呼ばれていた。 そんな幻想郷のある時代のできごと・・・ ・・・・・・野生のゆっくりが里の畑に忍び込んできた。 地上から、うーぱっくを経て空中から、 数十・・・いや、数百・・・。 繁殖期の後だからなのか、数は限りなく多かった。 「山賊が来たぞー!」 畑の持ち主と思われる男の声を合図に、畑の横の小屋から 十数匹のゆっくりが飛び出した。 小屋から出たゆっくりは、 リボンをつけたれいむ種でも、 金髪帽子のまりさ種でも、 その他のどのゆっくりでもない風貌をしていた。 上部に布をターバンのように巻き、目だけあけて下は また別の布で覆われている。 その風貌はまるで、人間の暗殺者のようだった。 「ゆっ!?」 「むーしゃ!えっ!?」 最も小屋に近かった野良ゆっくりが、 それらの接近を一番早く感じた。 スパッ しかしその瞬間、野良ゆっくりは上半分が宙を舞った。 「ゆ!ゆっくりがなかまをころしたよ!」 「ゆ!どうぞくごろしはわるいゆっくりだよ!」 「むきゅ!わるいゆっくりにはせいさいをくわえないとね!」 仲間がやられたことに気づいたのか野良ゆっくりたちは畑を荒らすのをやめた。 そして布に身を包んだゆっくりたちを攻撃し始めた。 「「「「ゆっくりしね!」」」」 まるで雪崩のように布ゆっくりに殺到する野良ゆっくり。 しかし、布ゆっくりはやられなかった。 むしろ野良ゆっくりが次々と餡子になっていく。 「ゆぎゃああああああああああああああああ」 「なんでええええええええええええええええええ」 野良ゆっくりたちはパニックになった。 大勢で責めれば勝てるはず そういう計画だったのかもしれない。 畑がだんだん餡子のじゅうたんに包まれていく。 「いだいいいいいいいいいいいいいいいいい!ぐぎゅ!」 運良くかすり傷で済んだ者も、痛がってる間に攻撃を食らってしんでいった。 布ゆっくりが強いのにはわけがあった。 ゆっくりとは思えない俊敏な動き。 躊躇せずに攻撃をする集中力。 そして何より、布ゆっくりはナイフを持っていた。 「これが・・・研究の成果ですか・・・。」 「長い研究が実を結び、ようやく夢を果たせた。」 眼下に布ゆっくりによる野良ゆっくりの虐殺を見下ろしながら、 小屋の屋根に立つ人間の男女が話している。 「それにしても、どうやって武器を口にくわえずに 持っているんでしょうか?」 女が言う。 「ゆっくりの餡子に手の役割を持たせたのさ」 「餡子に?」 「そう、研究の結果、ゆっくりの中の餡子は 同じように見えて、実は役割ごとに分かれていた。 人間でいう胃の役割をする餡子。 肝臓の役割の餡子。 脳の役割の餡子。 その中に人工的に作ったゆっくり自身が自由に操れる餡子を注入する。 その餡子は、ゆっくりの意思で形や硬度を変えることが出来る。 それを体から出すことによって、餡子を手のようにして使うゆっくり・・・ 目の前の布づくめのゆっくりが完成したんだ・・・。 お、終わったようだな。」 男がそういったとき、畑に侵入した野良ゆっくりは全滅していた。 「あれ?一人足りないな・・・」 男が言う。 「はっ!にげたさんぞくのいきのこりをおっていきました。 まもなくかえってくるかと・・・。」 布ゆっくりのリーダー格と思われるゆっくりが男に答える。 「すごいですね。 ゆっくり独特のゆったりした口調じゃなく 人間のようにはきはきと喋ってますね。」 「脳の役割の餡子を改造して教育したんだ。 もうこいつらの中でゆっくりな部分は体だけだろう。」 その後、畑の持ち主からお礼の食料を貰い、 畑中の餡子を取り除く薬品を渡して、 男は布ゆっくりと共に畑を後にした。 戦闘用のゆっくりを開発する。 それがこの男のしていた研究だった。 男はかつてゆっくり研究所で 研究のネタを探していた。 そんなある日、ゆっくりを観察するために 森に入った時に男は見た。 ゆっくり界で最強と謳われているドスを 口に刃物をくわえ、俊敏な動きで 一方的に攻撃し、仕留めたゆっくりを。 気づくとそのゆっくりは既に去っていった。 しかしその光景は男の研究意欲をそそるのには十分だった。 それから男による戦闘用ゆっくりの研究が始まった。 初めは武器を持たせたり、 教育を重ねていく方法を取ったが 最後は本能に負けゆっくりしたあげく 教えたことを忘れたりして中々上手くいかなかった。 そんな中、ゆっくりの餡子の秘密が解明された。 男はすぐさまゆっくりの餡子の改造に着手した。 まずは脳となる餡子に手を加えた。 仮死状態にしたゆっくりの頭部をくりぬき、 脳の部分の餡子だけを摘出した後 砂糖をかけたりシロップを混ぜたりして手を加え 餡子を戻してくりぬいた部分を治療し、 蘇生させて様子を見るという作業を何百回も重ねた。 そうして狂っているゆっくりや植物状態の脳死ゆっくりが出来たりしたが 苦心の末、ゆっくりするという本能を無くしたゆっくりを作ることに成功した。 これによって、教育しだいで無限の可能性を秘めたゆっくりが完成した。 男はゆっくり学会で表彰を受けたが まだ研究は終わっていなかった。 脳改造で戦闘意欲のあるゆっくりは出来るが 攻撃手段が乏しかった。 ゆっくりは手が無いので口で物をくわえる事しかできない。 それでは扱える武器などたかが知れている。 義手をつけるという案もあったが 重さゆえ耐え切れるゆっくりはおらず、 義手の重みで皆潰れていった。 悩んだ末、男は餡子に着目した。 内臓となり脳となるゆっくりの餡子。 それならば手の役割の餡子を加えれば、と。 餡子の開発は容易なことではない。 加える物質の分量が1mg違うだけで 大きく変化するのだ。 男は一年かけてゆっくりが自由に操ることの出来る餡子を開発した。 使い方はこうだ。 その餡子を注入した後、 注入に使った穴は閉じずにあけえておく。 こうすれば普段は餡子の手で穴を塞ぎ漏れることは無い。 武器を持つときは穴から餡子の手を出し、武器を包み固める。 後は餡子の手をぐりぐりと回せば武器を振れる。 その研究が完成した頃には、もう研究所は潰れ、 野良ゆっくりの襲撃でいくつかの里が消え、 多くの犠牲者が出ていた。 男は研究の成果である十数匹のゆっくりアサシンをつれ、 各地でゆっくりの襲撃を抑え、その報酬で生計を立てた。 「そろそろ、野良を殲滅するかな・・・。」 男がつぶやく。 「さとのちかくにすをかまえているさんぞくのみにしましょう ぜんぶころすとせいたいけいにえいきょうがあるかと・・・」 隊長ゆっくりが言う。 そんな会話をしながら、野良ゆっくりの巣のある方向へ足を進めていた。 ---------------------- 続く・・・かも ---------------------- 後書き 虐待ですらない研究日誌だこれ 初めて書いたのがこれでは先が思いやられますね ゆっくりアサシン~お兄さん遊び編 このSSに感想を付ける
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これは投棄場の ゆっくりの歴史 森のゆっくり編 の続きです。 歴史と言いながら俺設定、パロディが満載です。 そして投棄してるからには虐待が皆無です。 それが気に入らない人はお戻りください。 ちなみに今回は大概のSSで死んだゆっくりの帽子をかぶると 「おまえとはゆっくりできないよ!ゆっくりしね!」 とほざき始めるので、その理由の脳内保管を文章化した感じです。 さて、続きだ。「水辺のゆっくり」と銘を打たれていたが、川のゆっくりと言ったほうが正確か。 幻想郷に海はない。紅魔館のほとりにいれば某知恵足らずの妖精やカリスマならぬカリデカな館の主に駆逐されてしまうだろう。 ゆっくりも学習能力はある。 { 水辺に棲むゆっくりのもっとも恐怖したもの、それは辻斬りだった。 事実、辻斬りは毎年現れ、ゆっくりが駆逐されるまで続いた。 初めに辻斬りを始めたのはみょん種だった。 「ゆっくりしていってね!!!」と大声で叫んで近くのゆっくりを足止めし(地上のゆっくりには「ゆっくりしていってね!!!」というと本能的に挨拶を返す習性がある)ゆっくりとは思えない速さで真っ二つに切り裂く。人間のいう辻斬りそのものであった。 彼(もともと人間に家族を殺された父親役のゆっくりであったそうだ)は自分に勲章として死臭のついた髪飾りをはぎ取り、カチューシャにしていたようだ。 川辺のゆっくり達は死臭を感じると出来る限りの避難をした。 しかし無駄だった。本能に従い叫んで殺された。 辻斬りのみょんは天寿を全うした。その年の11月のことだった。} へえ、祖父が言ってた「死臭がするゆっくりは殺される」というのはここから来てるのか。 しかし毎年ってことは模倣犯がいたのか。 {その後は模倣犯が大量に現れた。 共通するのは「群れではゆっくりできなかったゆっくり」というところである。 最初に模倣したのは「おれまりさ」というまりさ種の変種であった。 一人称が「俺」であるがために偽物扱いされて爪弾きを受けていた。 (後述するが、最初に地上に降りたまりさの一人称は「俺」である。普通の地上まりさが偽物) 私怨が強かったらしく、周辺のまりさ、れいむをすべて虐殺した。 その際命と引き換えに放った「ゆっくり奥義 ますたーすぱーく」はおれまりさを怒らせるとこうなるということで現場にいたゆっくりに畏怖の念を感じさせた。 その後、おれまりさは仲良くなる…と思いきやありす種の提案で殲滅された。 不憫である。 後にふらん種、れみりゃ種、ありす種が毎年川辺で辻斬りの模倣をしては殺された。 そしてこれが地上のゆっくりが言っていた「死臭のするゆっくりはゆっくりできなくなるから殺す」という本能に従っての行動に繋がったのだろう。 (ちなみに私の先代は地上のゆっくりの解剖本を出していたのだが、その51Pにこんな記述があった。 「地上のゆっくりに死んだゆっくりの飾りの臭いを嗅がせると、餡幹部(人間でいう脳幹のようなもの)が沸騰する」 沸騰を続けると餡幹が融けて死ぬ=ゆっくりできなくなるということだろうか。 先代の本ではそこは解明されていなかった。) さて、次章は私たち山の上のゆっくりの歴史を紹介する前に、私たちと地上のゆっくり、及び人間との戦いを紹介しようと思う。} なるほど。地上のゆっくりは自己中心的だから殺してしまうのか。 ぱちゅりーさんたちは大丈夫なのだろうか。 それにしても水辺のありすは許せない。 全部川に落ちて死ねばいいのに。 それと・・・ゆっくりとゆっくりの戦い?聞いたこともないが。 そう思ってページを進める俺であった。 あとがき---------- 今回短くてすいません。 水辺のゆっくりはほとんど人間に屠殺された先行があるから 事件一つしか書けなかった。 このシリーズはあと上のゆっくりや人間との戦い、山のゆっくりの歴史、あと何かもう一ネタとエピローグの 1~3回で締めくくられると思います。 あ~家族のPCだからリビングにあるから 頭の中にあるゆっくり大虐殺の文が 書き表せない。 書いたら確実にパソ禁食らう。
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imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (画像ファイル名または画像URL) ある夕暮れの森の中を、鳥とも蝙蝠とも言いがたい生き物が、人の大人の目線程の高さを飛んでいた。 「うー!うー!」 その奇妙な生物は、ゆっくりの一種で、主に“ゆっくりれみりゃ”と呼ばれている。 まん丸の体の両端には、蝙蝠のような羽があり、ピンクの帽子を被った愛くるしい姿で、ゆっくり種の中では比較的 希少な部類に入る。 そんな可愛らしいゆっくりれみりゃだが、食事は同じゆっくり種の“ゆっくりれいむ”や“ゆっくりまりさ”を好ん で捕食する。 どうやら、そのゆっくりれみりゃが、今日の晩御飯を見つけたようだ。 「ゆっくりしていってね!!!」 森の中の湖のほとりで、ぴょんぴょん跳びはねているのは、ゆっくりれいむだ。 どうやら、蝶々と戯れているらしい。 (蛇足だが、最近の研究によりゆっくりにも…例えばゆっくりれいむなら可愛らしい無垢な顔つきのタイプと、生意気 で憎たらしいタイプの二種類が存在することが分かってきている。このゆっくりれいむは無垢なタイプのようだ。) 「うー!うー!たべちゃうぞー!!」 早速、ゆっくりれいむに襲い掛かるゆっくりれみりゃ。 「ゆっくり!?」 ゆっくりれいむが気づいたが、もう遅い。ゆっくりれみりゃはゆっくりれいむに乗り掛かりその羽で押さえつけると。 噛み付いてムシャムシャと食べ始めた。 「ゆうううっ!!!」 悲鳴をあげ抵抗するゆっくりれいむ…だが、いかんせん羽の押さえ込みが強く、ゆっくりれいむではどうすることも できない。頭部に激痛が走り、涙を流して命乞いをするゆっくりれいむ。 「ゆっぐりだずげでえええっ!!!」 しかし、そんなことはお構い無しに食事を続けるゆっくりれみりゃ。そして、人間であれば、脳味噌があるだろう部 分を半分ほど食われた段階でゆっくりれいむは白目を向いてビクンビクンと痙攣を始めた。 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!」 こうなれば絶命するのはすぐそこだ。 そうして、ゆっくりれみりゃは、大人しくなったゆっくりれれいむをそのまま食べ尽くすと。 「うー!うー!」と満足げに鳴き、 また飛び立っていった。 それから二時間後、まだゆっくりれみりゃは空のお散歩を続けていた。あたりはすっかり夜だったが、満月の光が森 の中を照らしていた。 「うー!うー!」 先ほどの餌がよほど美味しかったのか、ゆっくりれみりゃは上機嫌に空を飛んでいた。 そう、“天敵”の気配に気付かないほどに…。 突如、ゆっくりれみりゃが空中でピタリと止まる。顔が、ニコニコしたものから、カッと目の見開いた表情に一変す る。 それは、“天敵”の接近を許してしまったからだ。 その天敵とは、ゆっくりの中でも一、二を争う希少性と凶暴性を持つ、ゆっくりフランだ。 「ゆっくりしね!」 ゆっくりフランは狂気を帯びた笑みを浮かべながら、ゆっくりらしからぬ攻撃的な鳴き声をあげてゆっくりれみりゃ に襲いかかる。 「うあー!うあー!」 Uターンし、泣きながら逃げるゆっくりれみりゃ。 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 恐ろしい形相でゆっくりれみりゃを追いかけるゆっくりフラン。 スピードはほぼ互角か。しかし…。 「ゆっくりしね!」 ゆっくりれみりゃの目の前に何ともう一匹のゆっくりフランが立ちはだかる。 絶句するゆっくりれみりゃ。 それにしても、超希少とされるゆっくりフランが何故二匹も…? 実は、原理は解明されていないが、ゆっくりフランは自身の体を複数に「分身」することができることが、八意永琳 の研究により分かっている。これは“フォーオブカインド現象”と呼ばれ、ゆっくり七不思議の一つとなっている。 「うあー!うあー!」 挟み撃ちにされ、逃げ場を無くして混乱するゆっくりれみりゃ。 そんなゆっくりれみりゃに、二匹のゆっくりフランは容赦なく飛び掛る。 「ゆっくりしね!」 「ゆっくりしね!」 ゆっくりフラン達はゆっくりれみりゃの翼にかじりつくと、凄まじい力で思いっきり引っ張りあった。 まずは逃げ足を無くすためである。 「うあー!うあー!」 ブチブチと、ゆっくりれみりゃの体から翼が引き剥がされていく。 ゆっくりれみりゃは痛みで暴れ出すが、ゆっくりフランの力は凄まじく、打つ手が無い。そして、 ブチィっ!!! ほぼ同時に両の翼がモギ取られる。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!」 ボトッと地面に落下するゆっくりれみりゃ。翼を無くしたゆっくりれみりゃは他のゆっくりように跳び跳ねることも できず、這うのがやっとだ。その姿は滑稽きわまりない。捕獲に成功したゆっくりフランは、体を一つに戻すと、ゆっ くりれみりゃに張り付き、先ほどゆっくりれみりゃ自身がゆっくりれいむにしたように、上から押さえつけて、食事を 始めた。 グチョ 「うあ゛ー!!!」 グチョ 「うあ゛ー!!!」 ゆっくりれみりゃはゆっくりれいむやゆっくりまりさ等と違って中身は餡子ではなく赤い血肉そのものであるため、 正視にたえない。 しかし…二回程カジってゆっくりれみりゃの肉片を飲みこんだ後、ゆっくりフランは食べることを止めゆっくりれみ りゃを解放した。 「う゛ー!う゛ー!」 激痛でのたうちまわるゆっくりれみりゃ。 何故、ゆっくりフランはゆっくりれみりゃを食べるのを止めたのか…。 実は、ここからがゆっくりフランがゆっくり達に最も恐れられる理由なのだ。 ゆっくりレティやゆっくりゆゆこは、ただ食べるためだけに、他のゆっくりを襲う。 それは野生の動物の世界では極々当たり前のことだ。 しかし、ゆっくりフランは違う。食べるためだけではない。他のゆっくりを「玩具」にするためにも襲うのである。 狂気の時間の始まりだ。 ゆっくりフランは、翼をもがれ文字通り「肉団子」となったゆっくりれみりゃの髪の毛を噛んで掴むと、そのまま高 速で森の上空へと飛び立つ。 「う゛ー!う゛ー!」 今や翼を失ったゆっくりれみりゃにとって、高いところは恐怖そのものでしかない。 「ゆっくりしね!」 ゆっくりフランはそう言うと、急降下して、ゆっくりれみりゃを、岩の角に叩きつけた。 「う゛う゛ー!!」 ゆっくりれみりゃの左目の部分が潰れ、血肉が飛び散る。 更に、その傷の部分を地面に押し当て、引きずりまわす。 「う゛う゛う゛う゛う゛う゛ー!!」 悲鳴をあげるゆっくりれみりゃ。 生かさず、殺さず。…二時間程ゆっくりフランはゆっくりれみりゃを弄んだだろうか。 ゆっくりフランは最後の仕上げとばかりに、虫の息のそのゆっくりれみりゃを“ある場所”へと運びだす。 …森の更に奥の奥に、その場所はあった。 その空間の地面には、先端の尖った鉄の槍のようなものが、いくつも突き刺さっていた。 おそらく、昔の戦争で使われたトラップだろう。 「ゆっくりしね!」 ゆっくりフランは、そのまま、ゆっくりれみりゃを、生きたまま槍の上に突き刺した。 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!」 それはちょうど百舌の早贄のようだった。 自身の重みで、ズズズ…とより深くゆっくり貫かれていくゆっくりれみりゃ。 ジタバタするが、もはやこの状況から逃れることはできない。 「う゛ー!う゛ー!」 中途半端な生命力が仇となり、このゆっくりれみりゃは餓死するまで死ぬこともできず、もがき苦しむことになるだ ろう。 「ゆっくりしね!」 ゆっくりフランは、新しい“コレクション”が手に入り上機嫌だ。 コレクション…?。 そう、そのゆっくりフランがプロデュースする“美術館”に、串刺しにされているのは、このゆっくりれみりゃだけでは ない。ゆっくりれいむ、ゆっくりまりさ 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 、ゆっくりぱちぇりー、ゆっくりちぇん、ゆっくりみょん、ゆっくりすわこ、 そして他のゆっくりれみりゃ…。 様々な種類のゆっくりが、あるものは体の底から、あるものは体の耳から、あるものは頭頂部から逆さまに、あるも のは顔面から、皆それぞれ串刺しにされていた。 もちろん生きたまま。 「ゆっぐりだずげでえええ」 「ゆっぐりでぎないい」 「いたいimageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (画像ファイル名または画像URL) 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 よおおお…」 「ゆっぐりじだいいいいい」 「むぎゅうううぅぅん」 「ちんぽでぎないいいい」 「だずげでケロ~」 「う゛…!う゛…!」 合計すると、30匹はいるだろうか。 体をジタバタさせているゆっくりもいれば、ピクリともできないゆっくりもいる。 傷口が腐り、虫にたかられているゆっくりもいる。 正に、地獄絵図…。 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 ゆっくりフランは、その生きたコレクション一つ一つに声を掛け、苦しむ様を興奮した眼差しで確----
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「ホホホホ....よくぞいらっしゃいました。さて今日はどんなご用件で?ああ?猟ゆっくりをご覧になりたいと承知しました。ではこちらへ」 私はある興味深い話を聞いて里にほど近い廃農場を改築してできたゆっくりの養成所に来ていた。 「ここ最近ゆっくりの駆除数は多くなってますが、ゆっくり全体で見れば統計上減るどころかむしろ増えてるのが現状です なにしろあれはゴキb・・・失礼雑草のようなものですからねホホホホ...それはともかく減らないのは駆除の仕方に問題があるからなのです。 臭いものは元から断つのが一番。巣を見つけてコロニーごと叩きつぶすのが最も効果的と言うわけですなホホホホ.... しかし人間では隠れたゆっくりの巣を見つけるのは難しい。そこでわたくしめはゆっくりにやらせてみればと思いついたのです つまりはコペルニクス的思考転換と・・・オホン、まぁ毒を以て毒を制すと言う訳ですな」 歩きながらの男の説明終わったあたりでガラスの向こうに厩舎らしき場所にいくつもの鉄柵の囲いがいくつもある場所にきた 「ここは未来の生まれたばかりの猟ゆっくりの卵たちを育てる場所でございます。猟ゆっくりというのは若いうちから育てないといけません。 ま、当然ですな…躯が大きくなると態度も大きくなって育てるのも難しいですからなホホホホ....」 一つ囲いの中には大体5~6匹のちびゆっくり達が居る。まだビー玉大から野球ボール程の大きさの様々の子ゆっくりが飼育されている 「ゆっ!」 「ゆ~ゆゆ~♪」 まだまだ子供なのでどれも元気に跳ねまわったり、歌ったり、仲間同士で追いかけっこっしたり藁の上で飛び跳ねたりして遊んでいる。 「猟ゆっくりと言うのは全てのゆっくりがなれるものでは有りません。ここは適性があるかどうかを調べる場でもあるのです。おや… そろそろ時間の様ですな」 案内をしている男がそう言うと厩舎内のベルが鳴り始めた。すると周囲のゆっくり達が急に騒ぎ始めゆっくり達の大合唱が始まった 「ゆ!ゴハン~!」 「おなかしゅいたよ!はやくれいむにごはんをちょうだいね!」 白衣を着た男達がバケツを抱えてやってきた。男たちは囲いの前に立つと餌をエサ入れに流し込む。よく観察してみると小さいゆっくりの 囲いには大量の餌を入れているが、比較的育っている子ゆっくりの方にはその半分かそれ以下しか入れていない。明らかに囲いの中の ゆっくり達の十分の量なエサではない。どういう訳か尋ねてみる 「ホホホ...よくぞお気づきになられました。これも適性を図るプロセスの一つなのです。まぁこちらをご覧ください」 私は案内役に促され今白衣の男が給餌している一つの囲いを覗く。中では3匹の子ゆっくりれいむと2匹のゆっくりまりさ達がエサ台の前に集まっていた。 「ゆ!きょうはきのうよりごはんがすくないよ!おじさんごはんもっとちょうだい!」 一匹の子れいむが声を上げる。しかし白衣の男は次の囲いの給餌に行って既に居ない 5匹はゆーゆーと不満の声を上げていたが 「だいじょうぶだよ。わければみんなたべれるよ」 と5匹の中で2番目に大きいれいむが提案する 「みんなでいっちょでたべればおいちいよ!」 「そうだね!」 と嬉しそうに飛び跳ねながら口々に声を上げる3匹のれいむとまりさ 「そんなのぜったいやだよ!おっきなまりさはわけたらまんぞくできないよ。」 一番大きいまりさが異を唱えた 「ねんちょうしゃのいうことはぜったいだよ!」 それに3番目に大きいれいむが一番大きいまりさの横で援護する。こいつはどうも一番大きい奴の側らしい 「でもみんなでわけないとゆっくりできないよ!」 「そうだよ!」 口ぐちと非難をあげる3匹 「ちっちゃいくせなまいきだよ!まりさをうやまわないれいむはしね!」 そう言うとガキ大将は他の3匹を跳ね飛ばす。 「ゆぎゃっ!」 「い゛た゛い゛よぉぉぉ!!」 「ゆ゛う゛う゛う゛ぅぅぅぅ」 3匹と言えど体格差ではまりさには足元に及ばず成す術もない 「おねえちゃんのいうこときけないけっかがそれだよ!」 と言ってガキ大将の側についてた腰ぎんちゃくのれいむが跳ね飛ばされて動けないゆっくり達の傍で芥悪態を付く 結局餌はガキ大将まりさが総取りし、そのおこぼれを腰ぎんちゃくのれいむが食べていた 「ハフッハフッ!めっちゃうめ!」 「しあわせ~♪」 「おなかすいたよぉ~…」 「ずるいよぉ~…」 「ゅぅ…」 残る3匹はおこぼれすら貰えずその様子を見て愚痴ることしかできなかった。しかし空腹に耐えられず敷いてある稲藁を力なく 食み始めた 「さてお客様ここで一つクイズです。この5匹の中猟ゆっくりの適性があるのはどれだと思いますか?」 私はおそらく一番大きいゆっくりまりさでないかと答えた 「なるほど…ホホホ、それでは選別を行いますのでしばしお待ちください」 案内役はジェスチャーで指示を出すと、一人の白衣の男が今みていたゆっくり達の囲いにやってきた。 「ゆ?おじさんこんどはでざーと?はやくだしてね!」 ガキ大将まりさは開口一番生意気な口を叩く。白衣の男は何かを取り出す 「じらさないでまりさのためにはやくちょうだいね!」 白衣の男は表情一つ変えず何かをまりさの口に素早く突き出す そばで大きな口を開けて餌をねだる口には餌の代わりに尖った鋭い棒が刺さる 「げぶぁッ!」 後頭部に突如風穴を開けられるガキ大将まりさ 「どぉぼでぃでぇぎょんぼどずるのぉ...」 ガキ大将まりさにさした棒を引き抜き何度も突くのが繰り返される 「ゆ゛…ふ゛り…たか…よ」 何かを言い残し息絶えるガキ大将まりさ 「ざまぁだね!」 「いじわるなまりさしんでね!」 それを見たガキ大将に跳ね飛ばされてた3匹のゆっくりは嬉々として飛び跳ねる 「ホホホホ....お客様残念ですが不正解です。あのゆっくりまりさは体格や強さなどは申し分ありませんが、猟ゆっくりに求められるのは、 他の猟ゆっくりとの協調性と主人への忠誠心。 ゆっくり狩りというのはゆっくりの集団を追い込み仕留めるのを目的しております。 単独では難しいので普通はチームを組むのが基本です、お山の大将など必要ありません。強さなどは二の次…そんなものは訓練次第でどうでもなります。無論同族食いする様なのはNGですぞ。例えば10匹の群れを追うのに1匹に食いついて9匹を逃すようなのを猟ゆっくりとは言えませんからねホホホホ....。 それと人を小馬鹿にするようなことを堂々と言うゆっくりが主人の言う事など聞くはずありませんからねぇ。当然ダメ おっと何時までもここで時間を取ってたら昼になってしまいますな。それでは次に参りましょう、ホホホホ....」 案内役は私を次の部屋へ案内する。次は猟ゆっくりに選ばれた奴らが野生のゆっくりの巣の追跡や集団を追い込む 訓練が見れるらしい このSSに感想を付ける
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広いんだか狭いんだかわからない世界のとある神社。 そこには素敵な巫女さんと、巫女さんにそっくりのおまんじゅうが住んで居ました。 「れいむはおまんじゅうじゃないよ!おまんじゅうっぽいだけだよ!」 失礼、巫女さんにそっくりな『ゆっくりれいむ』と言うおまんじゅうが住んで居ました。 Σ「あんまかわってない!?」 神社にはお客さんがあまり来ませんが、巫女さんの友達はしょっちゅう遊びに来ます。 巫女さんは「友達とかそういうのじゃない」と言いますが、 れいむは巫女さんがツンデレなのを誰よりも理解していたので、影でニヤニヤ… 「だいたいツン8 デレ2くらいだよ、攻略するときはきをつけて ゆっくり選択肢をえらんでね!」ニヤニヤ れいむはその友達を「ゆっくりしていってね!」とお出迎えするのが楽しみでした。 友達は巫女さんがおでかけする度に増えていき、 それにしたがい、れいむも色んな人に「ゆっくりしていってね!」をして… いつの間にか、れいむは皆から『ゆっくり』と呼ばれるようになったのでした。 「安直きわまりない!」 そんな日が続いていき、 れいむは自分も誰かに「ゆっくりしていってね!」をしてもらいたいと思うようになりました。 「どうせならおなじゆっくりだとはずれがないね!」 しかし神社でお留守番をしていても… 巫女さんのおでかけについていっても… れいむが他のゆっくりに出会うことはありませんでした。 協力してくれた天狗さんからの話も『見つからない』がずっと続くばかり… 「ならしかたないね!」 ですが、いつも通りのほほんとした調子でれいむは縁側へ昼寝をしに向かいます。 ・ 別に同じゆっくりがいなくても困らない たまにご飯よりおうどんが食べたくなる事もあっても 夕飯がおもいっきりご飯なのもよくある事。 だから期待してた分、ちょっとガッカリするのも仕方ないね。 それでも食べるご飯はちゃんとおいしいし、毎日楽しい。おんなじ事だよ! 「なんくるないさー♪」 そう思いながら縁側につくもれいむは眠気がせず、ぼーっと庭中の落書きをみていました。 全部れいむが今まで書いた巫女さんや友達の似顔絵。 最初はそのつもりで描いていた落書き。 「ゆっくりしていってね!」 でも、れいむが自分への「ゆっくりしていってね!」を願うようになった頃から、 落書き達はれいむがいつか会えると想像していた仲間達の絵になっていました。 こんなに仲間がいたら、きっと「ゆっくりしていってね!」だけで日が暮れちゃうね! こんなに仲間がいたら、ご飯もいっぱいなくちゃだめだからみんなで宴会だね! こんなに仲間がいたら、きっと毎日ゆっくりゆっくりしてられないよ! でもこの世界にはほかのゆっくりなんていないよ―「ゆっくりした結果がこれだよ」 れいむはこの時、初めて思いました『ゆっくりしたくない』と ―――― 居間へ行くと巫女さんはすやすや眠っている。 起こさないように、音をたてないように れいむは巫女さんがお菓子をのせるお盆に乗ります。 『おまんじゅうに変身する術』 なんのためにつかうかわからなかったけど、きっとこのためだったんだとれいむは思いました。 (起きたらおいしいおまんじゅうがあるから、それでゆっくりしてね!) 「さあ、おたべなさい!」パカッ れいむがそう唱えると、その場所には二つのおまんじゅうだけが ちょこん、と残っているのでした… ■■■■■■■■ 「…ゆ?」 …しかし、れいむはまだれいむでした。 おまんじゅうになったはずなのに…。れいむが不思議に思っていると、 隣のおまんじゅうが突然もぞもぞと動きはじめました。 「ゆゆ??」 やがておまんじゅうはぷくぷく膨らみ、れいむと同じ大きさにまでなって、 最後にてっぺんが『ぽんっ!』と弾け、おまんじゅうがまっ黒帽子をかぶりました。 「ゆっ!」 「ゆゆゆ?!」 振り替えったまっ黒帽子の姿は、れいむが書いた『だぜ』の絵そっくり。 『れいむはおまんじゅうになったのに、れいむはれいむで、 なのにれいむのはんぶんがだぜで、でもこのだぜはれいむの絵だったけど、いまのだぜは…』 れいむにはとにかくわけがわかりません。 でも一つわかる事があります『待ちに待った仲間ができた!』する事は一つ。 「ゆっくりして…」 「さあおたべなさい!」パカッ 「ええええ!!」 せっかく出会えた仲間は光の速さでおまんじゅうになってしまい、 れいむは予測外のショックをうけました。 しかし、しばらくすると… 「たべないと…」「「ふえちゃうぞ!!」」 今度は『だぜ』のほかに『お人形のおねーさん』も増えました。 今度こそ… 「ゆっくりしていっ「「さあおたべなさい!!」」パカッ 「またぁ!?」 そしてまた今度も 「「たべないと…」」「「「「ふえちゃうぞ!!」」」」 天狗さん、お花のおねーさん、おぜうさま、メイドさん… 増えても増えても「おたべなさい!」は続き、そのたびに新しいゆっくりが生まれて… ゆっくり達の声は妙に楽しげなリズムにのって、れいむもそれに自然と続きました… さあおたべなさい!たべないと…ふえちゃうぞ! さあおたべなさい!たべないと…ふえちゃうぞ! さあおたべなさい!たべないと…ふえちゃうぞ! さあおたべなさい!たべないと…ふえちゃうぞ!・・・・ ――――――― 狭いんだか広いんだかわからない世界、 そこには様々な住人と、住人達にそっくりなおまんじゅう達が居りました。 「おまんじゅうじゃないよ!れいむたちはおまんじゅうっぽいだけだよ」 失礼、ゆっくりというおまんじゅうっぽい住人達がたくさん居りました。 「うー、いぇす!」 相変わらず巫女さんの神社にはお客さんがこないので、今日もれいむは遊びにでかけます。 れいむにもたくさんの友達ができました。 本人は「ひとづきあいってめどいよ!」とか言ってますが、 巫女さんは自分の事もあってか苦笑しながら「はいはい…」と流すのが定番でした。 れいむはその友達をお出迎えしたり、こうして遊びにいってお出迎えされたりするのが楽しみでした。 「ゆっくりしね♪」「ゆっくりなのかー」「はるですよー!」 たまに思ってたのとだいぶ違うのもいるけど… 「ゆっ、ゆっ」 思ったより大した感動もなかったけど… 「ゆっくりしていってね!」 「ゆ!ゆっくりしていってね!」 れいむは毎日にちょびっとの達成感をてにいれたのでした。 ゆっくり、ゆっくり… おまけ ・ ・ ・ 「こあ、ぱちゅりーさま?これ、ほんとのおはなしなんですか?」「こぁ?」 「むきゅ、どうかしら?ただのお伽噺なのか…ほんとうの事なのか…」 「ぱちゅりーさまでもわからないんですか?」「ですかー?」 「わたしがいた頃はもうたくさんゆっくりがいたもの…わたしの中の事実はそれだけよ」 「ほんとはじぶんのなかにこそある、ですか」「かー?」 「そういうものね。さ、これを棚にもどしてきて」 「こあ!」「ぁぃぁぃこぁー!」 おしまい。 by.とりあえずパフェ あとがき じつは自分のなかでここ最近秋のおたべなさいSP、みたいなくくりで書いたりしてました。 不思議な籠はゆっくり達が自分を「おたべなさい」 らんの焼き芋はゆっくり達が食べる「おたべなさい」 そして今回が「おたべなさい」→「ふえちゃうぞ!」のコンボでお送りしました では、今度こそ失礼します… この短編、地味に名作だと思う。 -- 名無しさん (2009-12-10 14 06 10) かわいいストーリーですね^^ -- kanndou (2011-07-28 12 11 39) 名前 コメント